【初心者オススメ!】ホルベイン透明水彩絵の具の12色セットでは上手く描けない‥と思っている方に送るつらら庵流12色!
おこしやす つらら庵 ♪
どーも。和雑貨屋つらら庵の和雑貨をあまり作らない職人、しょーちん。です。
【この記事の内容をまとめたYouTube動画はこちら♪】→https://youtu.be/HzdVIPqr4xU
今回はホルベイン透明水彩絵の具の"色"について考えたいと思います。
唐突にしょーちん。愛用のパレット。
‥汚いですね。
これでも写真に撮らないとと思ってよそ行きに綺麗にした方です。
【目次】
1.ホルベイン12色セット買ったぞ!‥あれ?なんか変。
さてさて、これから透明水彩を始めるぞ!と思う方の大半は"ホルベイン透明水彩12色セット"を買う方が多いと思います。
一見してバランス良く取り揃えられた色、そしてお手頃なお値段。(2021年現在1770円)
かく言うしょーちん。も中学生の時に買ったのがこのセットなのであーる。
買ってきた教本を参考に色々とこのセットで描いてみる。
‥しかし、どうもなんか違う。
何がどう違うのかは分からへんけど、なんとなしにお手本より暗く濁っている気がする。
まだまだこの頃水彩に慣れていなかったしょーちん。には何が変なのかがわかっていませんでした。
でも確実に感じる違和感。このセットで絵を描いている人の中には同じように思っている人も多いのではないでしょうか?
2.ホルベイン12色セットに欠けている事
それからしょーちん。は水墨画の方に傾倒し、いつぞや水彩画からは離れてしまいました。
‥なんか上手く描けへんし。。
それからアクリル画、日本画と色を扱う画材にも触れ、ある時また水彩画をやってみようと昔のホルベイン12色セットを取り出してハタと気づいたのです。
THE・オーソドックスな色があれへん!
‥そうなんです。本当に謎なのですが、我々が常日頃から親しんでいるようなベタベタな青、緑、赤などがまず無いのです。
なんかくすんでいたり、使いそうもないような赤(クリムソンレーキ)や緑(ビリジアンヒュー)が入っている。
これではサツマイモかピーマンしか描けないではないか!
しょーちん。は憤ると共に、ホルベイン12色セットに隠された最大の弱点を発見するのでした。
3.色彩で1番大切な事
そもそも色彩はとても奥深いです。
描くモチーフや好みまで含めると、これといったセオリーや決まりはありません。
でも、そう言った好みやモチーフ以前に考えておかねばならない事があります。
彩度です。
その名の通り鮮やかさの事ですが、ここで大事なのは、鮮やかなものからくすんだ色は作れるが、くすんだ色からはいくら水で薄めても他の色と混ぜても鮮やかな色を生み出す事は不可能という事です。鮮やかな色は唯一無二なんです。
インクジェットプリンターの色を思い浮かべるとわかりやすい。
シアン、マゼンタ、イエロー
そしてブラック。
この4色から無限の色を作ることができます。
しかしそれには元の三原色は超鮮やかでなければなりません。
まずホルベイン透明水彩絵の具12色セットには鮮やかな黄色はあるけどシアンとマゼンタが無い。これは致命的だと思いました。
4.つらら庵流12色を考えてみた
前置きが長くなりましたね。
それではここからはしょーちん。なりに長年画材を扱ってきて取捨選択した最強12色をご紹介します。
あ、もひとつ大事なこと。
しょーちん。は主に風景や花をよく描きます。
たまに人物も。
そして、表現はややリアル寄りです。
変な自己紹介を唐突にすな!って感じですけどこれ意外と重要で、何をよく描くか、そしてどんな画風かもそれなりに大事です。
メルヘンチック、ファンタジックな絵だったり、イラスト系の表現だとやっぱり違ってくると思います。
ま、、、しょーちん。は今揃えている12色で混色次第ではどんなものでも描けるとは思っていますけども。。
では、一気にいってみよー♪
キナクリドンオペラ
やっぱりこの色は外せません。
まぁピンクの絵を描くことなんてあまり無いですが、さっきも言ったように完全なる唯一無二色です。
標準セットで柔らかなピンクの花を描こうと思った時点で即詰みます。(笑)
透明度も高く、混色次第でとても美しい色が作れるので絶対に持っておきたい色。
パーマネントイエローライト
これは標準12色セットにも入っている色です。
‥考えたらな、しょーちん。の揃えた12色でホルベイン標準12色セットにも入っている色、これと合わせて4色しか無いねん。ほぼ要らんってことやね‥。
とても透明度が高く、目がキンキンしそうな黄色!そして何故か口の中が酸っぱい!
これと似た色でカドミウムイエローがありますが、こちらは不透明度がやや高く、強い色をする代わりに透明水彩独特の透明感に欠けます。
パーマネントイエローライトの方がキレイ。
しかし、弱点もあって‥
ものすごく他の色の影響を受けやすいです。
いわゆる、弱い色です。
複数の色でウエットインウエット(先に塗った色が濡れているうちに他の色を塗ること)の時は要注意の色です。
「あれ?さっき塗った黄色は?行方不明!」
って事よくあります。
フタロブルーイエローシェード
結局何色やねんお前色です。
これと似たものにレッドシェードがありますが、イエローシェードの方が鮮やかです。
是非こちらを。
プリンターのシアンに近いキレイな水色って感じかな。これさえあれば他の青はいいかなぁ?と思うくらいの万能色。
他はピーコックブルーも好き。透明度も高いので。
‥しかし、なんで外国の色名って小洒落てて覚えにくいんやろ。
キナクリドンってなんやねん。
閑話休題。。
この色は混色しても鮮やかさを維持します。
上はペインズグレイを混ぜてインジゴ風に。
下はオペラを混ぜてプルシャンブルー風にしました。
こちらはオペラ多めのイエローシェードちょい足し。
キレイな紫です。この紫が好きなので、しょーちん。は紫系を単色では持ってません。
‥イラスト以外にまず紫をそこまで塗ることないしな。。
ホリゾンブルー
これは正直一軍に持ってくるか迷った色です。
一見先程のイエローシェードを薄めりゃええやん?って思うでしょ。
違うねん。この子は不透明度が売りなの。
上がホリゾンブルー。
下がフタロブルーイエローシェードを薄めたもの。
薄めると似てはいるものの、強い水色ではなくなるんですよね。
これは深く澄み渡った空や輝く水をよく描くしょーちん。は押さえておきたい色でした。
風景画をあまり描かないならホリゾンブルーはやめて違う色選んでもいいかも。
フーカスグリーン
これですよ!この緑が欲しいねん!
なんでビリジャンやねん!
緑大好き人間のしょーちん。は激怒しましたよ。
‥いや、ビリジャンも悪くはないんですよ。
透明度も高いし、あれも何気に唯一無二色なんです。
しかし、先ほども言ったようにビリジャンは混色しないで塗る事はピーマンを描く以外にまずありません。
大体セットは初心者が買うものなので、なるべくなら余計な混色を避けたい。
そんなに混色しなくても木々の緑を塗らせてあげたいではないか。
喫茶店のやっすいクリームソーダ。あれも塗らせてあげたいではないか。
そんなための緑です。エメラルド色で透明度も高くキラリと光る緑です。大好き。
サップグリーン
おいおい、これも枝豆しか塗れへんやないか!
と、一軍を蹴落とされたビリジャンはんの声が聞こえてきそうですが、これは良いの〜。
風景を描く時にこの黄みを帯びた緑は本当に使用頻度が高い。
日本の原風景の色。畑。田んぼ。萌え出した山の色‥。
お抹茶のような色で、変に画面上で浮かない緑です。
しょーちん。のパレットではめちゃくちゃ減りの早い色でもあります。
イエローオーカー
これは標準セットにも入っている色です。
大地の色。そして、人物の肌を塗る時にも使う色です。(ただし混色必須)
不透明度が高いので混色しすぎると先程のホリゾンブルーと同じくガッシュみたいになります。
地味ですが意外と使用頻度が高い色ですね。
ペインズグレイ
「水彩画では黒を使ってはいけません」
という呪いの言葉、よく聞きますよね〜。
個人的には意味がわからんです。そんな事言われたら怖くて描かれへん。
‥と同時にこの言葉はよく噛み砕いて理解しないといけないとは思っていて、黒で描いてはいけないのではなくて、全ての影や髪の色が同じ黒だと思い込まない事が大切。これを各先生や教本は言いたいのではないかと。
初めて絵を描く人が1番何を失敗するかと言うとこの黒の扱いですよね。
影は暗いから黒!この発想が良くない。
黒の中でも何寄りの黒なのか。そもそも描こうとしているものは本当に黒いのか。
ホルベイン標準セットにはアイボリーブラックが入ってます。
あいつは曲者です。イカ墨の様にものすごく強い黒で他を薙ぎ払う色です。上手く使わないと初心者には到底乗りこなせる馬ではないと思っています。ここぞと言う時にキマればカッコいい色なんですけどね。しょーちん。はまだあの色怖い。(笑)
そんなあなたにオススメの黒がこのペインズグレイ!
優しい黒で、混色しても濁りにくいし、単体で影を塗っても意外と馴染んじゃいます。
少し青みが勝った黒です。
先程のサップグリーンにちょいとペインズグレイを差してご覧なさいな。
これこのように自然な陰影をもつ広葉樹の出来上がり。特に緑との相性が良いです。
黒は薬と一緒で決められた時に用方法量を守るのが絵を濁らせない秘訣です。
バーントアンバー
こちらも標準セットに入っている色。
THE・茶色です。
これについては特に言う事ないですね。茶色は木を描く時に必須。あと、混色して色を渋くするのにしょーちん。はよく使います。
ほんで、意外と周り見渡すと茶色っぽいものって沢山あるのよ。今見渡してみて。
‥あれ、そんな事ない?(笑)
セピア
これも入れようか入れまいか迷った色。
正直先程のバーントアンバーにペインズグレイを混ぜればそれっぽい色は作れる。
しかし!しょーちん。的にはめちゃくちゃ使用頻度が高い色なんですね。陰影は主にコイツに活躍してもらってます。
だからいちいち混ぜて作んのめんどくさい(笑)
そういう観点からの色選びも滞りなく作画するためには必要だと思います。
三原色が有れば理論上無限にどんな色でも作れますが、毎回コンスタントに思うような色を作ることはプロでも不可能です。
ここで"既存の色"の安定性が効果を発揮するんですよね。
良く使う色はたとえ混色で作れたとしても持っておけ!
先程のサップグリーン+ペインズグレイの緑にバーントアンバーで幹を描き、セピアで幹の影付け。そして道に落ちた影をペインズグレイ単色。
混色なしでもこんな感じで風景画の一部が描けます。ホルベイン標準セットでは難しいです。
カドミウムレッドディープ
これも出会うまでに時間掛かった〜。
THE・赤がこれまた透明水彩ではあまりないねんなぁ。なんでだろ。
わしゃ赤が欲しいねん赤が!
そんな中しょーちん。の理想のTHE・赤がこの色です。
あまり信号機のような赤を塗ることなんて無いのですが、無いと困る色です。
こちらは不透明度が高い。ガツンと残る色です。日の丸の色!
透明度が高い赤がいいならキナクリドンレッドがオススメかな。
バーミリオンヒュー
こちらも標準セットに入っている色。
うーん、これも悩んだ。
パーマネントイエローライト+カドミウムレッドディープで作れるしね。
でもこれも意外と使用頻度が高い。
緑に混ぜて渋くするのにもよく使います。
緑の反対色なのですぐにくすむのが返っていい。
さ、こんなところでしょうか。
しょーちん。、実は色彩感覚にはそこまで自信がないのですが、そんなしょーちん。なりに考えてみました。
参考になりましたなら幸いです♪
5.最後に‥
いかがだったでしょうか。
色の考え方は様々ですし、好みもあります。
さらに言うと別に12色に絞らなくていいと思います。(笑)
今回はホルベインさんが12色として出している色がしょーちん。的にあまり使えなかったのでそれに合わせて自分なりの選択で同数選んだみただけです。
ホルベイン標準セットは安いのでそれをまず買って、他の色を単色で買い足してもいいかもしれませんね。
最後にもう一度言いますが、少ない色数を混色でやり繰りするなら大事なのは彩度です!
あと、透明度。
実は透明水彩と言っても全てに透明感がある訳ではないと言うことをご存知でしょうか?
それについては良ければつらら庵YouTubeのこちらをご覧くださいね。
‥うん、偉そうに紹介したけどしょーちん。もつい最近知ったのだ。
ふふふ。
これを機にアメリカンチェリーやさつまいも、ピーマンだけでなく、サンタさんやサトニシキ、激甘のやっすいクリームソーダも描ける素晴らしい水彩画ライフが皆様に訪れますように♪
また、おこしやす つらら庵 ♪
この記事の内容をまとめた動画はこちら