つらら庵日和

つらら庵日和。

つらら庵の職人 しょーちん。の日記。

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【日本画技法】マスキングテープは岩絵の具でも使用できるか?

 

おこしやす   つらら庵 ♪

 

ども、和雑貨屋つらら庵の和雑貨をあまり作らない職人、しょーちん。です。

 

今日は、水彩画でよく使われている技法、

マスキングテープについてです。

 

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マスクするテープ。進行形。

要するに、ここには絵の具が付いて欲しくないよ〜というところに貼るテープ。

 

‥そのままやな。

 

主に西洋画、特に水彩画でよく使われる技法です。

この技法、ザラつきのある日本画には使えないのか?というのが本記事の内容。

 

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これはしょーちん。の近作ですが、銀色(アルミ泥)で描かれた水面(のような物?)を表す時に実はマスキングテープを使っています。

 

日本画でも普通に使えるんですね!

 

やり方は簡単で、水彩画と全く変わらない。

しかし、少し水彩よりも気をつけないといけないことがあります。

 

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まず、貼る面の絵の具がしっかり乾いているかという事。

これは水彩でも一緒やけど、日本画の絵の具(岩絵の具)は表面が乾いているように見えても中が乾いていないことが多いので、半乾きの時にやっちゃうと最悪ポロっと剥がれてしまいます。

 

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しっかり乾いていることを確認したら絵の具が付いて欲しくない所に貼ります。

 

マスキングテープには"貼って剥がす"という元々の狙いがあって作られた物なので、粘着力はどれも低めに作られていますが、メーカーによってマチマチなので、お好みの粘着度を持った物を探しましょう。そして巡り合いましょう。そして深く愛し合いましょう。

 

粘着度が高いとネチャネチャが残ったり、下地の絵の具を引き剥がしてしまうので、そいうい時はフェルトの上なんかでペタペタと貼って剥がしを繰り返すと粘着度は弱まります。

 

‥しょーちん。は毛が付くと嫌なので、自分の腕とかに貼って皮脂をつけることがあります。(汚いしおすすめはしません。)

自分の毛が付いちゃうよ!という方。

知らんがな。毛深い両親を恨みなさい。


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しっかり貼れたら、マスキングテープの"キワ"だけしっかり押さえます。

稀に細かい粒子の絵の具だとキワの僅かな隙間から絵の具が流入して剥がしてもそこだけビリビリになってしまうことがあるので。

あとは塗るだけ!割と粗い絵の具でもイケるよ♪

 


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塗ったらまたポイント。すぐ剥がさない!

半乾きまで待ちます。

塗った直後は絵の具が水っぽすぎて剥がす時に汚してしまう事がありますし、完全に乾き切ってしまうと膠が硬くなってパリパリになるので綺麗なラインが出ません。

半乾き!これ大事!

 


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ゆーっくり剥がします。焦りは禁物。

 

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はい完成!

筆のフリーハンドではなかなか出せないシャープなラインが出ました。

あまり多用すると無機質な絵になるので、ここぞ!というところだけ使うのがカッコいいのです。

 

今回は日本画のマスキングについて簡単にお伝えしました!

日々制作する皆さんに幸あれ〜♪

 

また、おこしやす  つらら庵 ♪

 

 

■ひとことコラム■

日本画はまだまだ若い」と加山又造が言ったように、「こんなことしていいのかな?」と思うような事もどんどんしていきましょうね♪

そこから新しい発見、技法が生まれるかもしれません。

因みに滝の絵で有名な千住博さんも、若い頃ビルや街を描くのにマスキングテープを使っていたら、大学の先生に「自分で真っ直ぐな線を引けるようになれ」と注意されたと言います。

今や世界で活躍する千住さんです。

批判する人は放っておいて、色々と試したいですね(^^)

 

■前回の記事にコメントを下さった方々へ■

 

つららとつらら庵に対する暖かい数々のコメントを下さった方々、ありがとうございました。

すぐにお返事を差し上げたかったのですが、このはてなブログのアプリが本当にポンコツで、既にログインしているのに「ログインしてください」という禅問答なのか?というメッセージが出てきて、コメントをお返しすることはおろか、スターもつけられませんでした。

そして今日ようやっとログインできて(調べたらiPhoneの場合、アプリのトラッキングをなんやらかんやらをオフにするたらなんたらかんたらをしたら治るというのでやってみたら無事治りました(笑))、一と月も経とうという今更ながら個々にお返事をするのもどうかと思い、前回の記事のコメントについてはスターをつけるのみでここにて皆さんにという形でお礼を申し上げることにしました。

 

本当にありがとうございます。

 

"つららがいた"という事実は残念ながら日々過去のものになっていっていますが、その鳴き声、そして思い出の数々。受けた愛与えた愛は今も目の前にいるように鮮やかに生きています。

 

これからもつららと共につらら庵頑張りまっせ!