【日本画お役立ちプチ技法】"岩絵の具の塗りキワ"について。
おこしやす つらら庵 ♪
しょーちん。です。
先日頃から日中クーラーを点けているつらら庵も、夜になると涼しい。
夜は夏場絶好の制作時間です。
以前から大分温めてきた獅子図と、水墨作品、実験的習作を進めている。
獅子図はやっと下塗りが終わり、立てて岩絵の具を流し掛けしながら画面作りをしているところ。
流すことで筆跡が絶妙なムラを作る。
ただし、これに溺れすぎてはいけないとも思う。
‥さてさて、今回は日本画を進めていく上での"塗りキワ"の問題。
日本画を描かれている方達はどうだろう。
パネルに平張りした時、(パネルにピッタリと包み込んで貼るパネル貼りの場合は別)画面の端まで岩絵の具や水干を含ませている筆が来たら、ピタッとそこで止めているだろうか?
‥これをしてしまうと筆の離陸したところに汚く絵の具の溜まりがどうしても出来てしまう。
マチエール(絵肌、模様)次第では誤魔化せる場合もあるけど、綺麗な画面作りをしている人はやめた方が良い。
刷毛や筆が画面のキワに差し掛かっても、画面外5㎝くらい先が終着地点だと思って筆を抜き切る。
こうする事で絵の具だまりと、筆を止めようかどうしようかという"逡巡"を回避できる。
迷いや不安は絵を見る者に伝わる。
水彩画でも同じことが言えると思うけど、日本画材は水墨にしても岩絵の具にしてもびっくりするくらい描き手の"恐れ・不安"までご丁寧に画面に記録してくれるので難しいねん。
サッと抜く!これに尽きる。
しかしこれにも問題が全く無いわけではなく、画像のように筆を画面外まで勢いよく抜き切ってしまうともちろん水張りテープのところまで絵の具で汚れてしまう。
汚れても後でパネルに貼り込むなどすればいいけど、問題はそこではなくて作画途中に絵の印象が変わってしまう事。
上の写真、なんかいびつに見えへん?
心なしか猫、、じゃない、獅子まで傾いているような‥。
こんな時にお勧めするのがマスキングテープ。
色はなんでもいいけど、濃くて目立たない色の方が良い。(白と黒の2色が有れば間に合う)
あらかた下地塗りが終わってバックの仕上げに入る直前にマスキングテープを貼り、額装した時のイメージで出来上がりサイズを出す。
するとどうだろう。
たった1.5㎝幅のマスキングテープをぐるりに貼っただけで絵のイメージが変わりませんか?
ちなみに先程お見せした画像とこの画像との違いはマスキングテープを貼っていないか貼ったかの違いだけです。
猫もピシッとした感じがしますね!
ちょっとした事やけど、各段階で完成した状態をイメージしながら制作を進めるのはとても大切だと思う。水彩画でも周囲のマスキングを剥がしたら見違える事あるでしょ?あれと同じ理論です。
マステを貼った日本画は、日本画の制作が終わる頃になるとめちゃくちゃくっついてしまっているので無理に剥がすと危ない。
バックの調整が終わる頃に一度剥がすか、しょーちん。はマステを貼ったまま置いておく事も多いです。なぜなら、マスキングテープを貼った部分はパネル貼りにした際に側面に回る部分なので、返って都合がいい事も有るんです。
制作しているうちにマステの上に新たに乗ってしまった岩絵の具はぬるま湯でゆっくり取ると取れるので、パネルの側面の処理も綺麗ですよ♪
是非是非お試しあれ〜。
また、おこしやす つらら庵 ♪
■ひとことコラム■
はてなブログにハッシュタグが付いてる人を最近よく見かけるんやけど、あれってどうやって付けてんの?誰かおせーて。
◯つらら庵YouTube便り◯
矢立てと水彩で描く日本画の為の紫陽花スケッチ
コチラから→https://youtu.be/nVWZb96yriA
◯つらら庵にゃんこ便り◯
草引きの副産物、エノコログサを食べる庵主(つらら)