強烈な個性。 恐怖 ”わかるでぇ~”おじさん”。。~最終章~
おこしやす つらら庵 ♪
ども、和雑貨屋つらら庵の職人、しょーちん。です。
ではでは、前回の続きを書いていきたいと思います。
恐怖のわかるでぇおじさんの魔の手をかいくぐり感動の再会を果たしたしょーちん。と友人。(そういや前回の記事にその当人の友人からコメントきてたな(。-`ω-)あんにゃろめ(笑))
友人がお目当てのガンプラをゲットしたので、デパート発の帰りのバス停まで二人で歩いてゆきました。
「いやぁ、はんまに強烈やったなぁ。あんな人初めてやわ。君にはほってかれるし。。」
「ははは。俺もあんな人初めてやわ。」
そんなことを語りながらバス停に着き腰を下ろす。
友人は先ほど手に入れたガンプラの説明書を読みながらあれやこれやと制作の案を練り始める。
しょーちん。も小一時間の拘束の疲れも有ってか、半ば放心状態でバスを待っていました。
すると、しょーちん。の肩を何者かが揺さぶるではありませんか…
まさかと思い、ひきつった顔を隠せないまま後ろを振り返ると。。。
「もう~、どこいったかと思ったわ~。ずっとデパート中探したけどおらんし~。
まぁはぐれてしまうのもわかるでぇ~。あはははは!」
…なんとおじさんは、かれこれ1時間半もプラモ屋に逃げたしょーちん。達をデパートで探していたというのです!!!
もう、しょーちん。は思いました。
あかん。最後殺されるやつや。
もうね、ほんまにしまいには怖くなってきて(笑)
1時間半も探すか!?普通。
「あ、あうっ、あの、すみませんでした…途中ではぐれてしまって。。。」
おじさんは何も言わず僕たち2人の横に腰を下ろし、またマシンガントークを繰り広げながら同じくバスを待ち始めました。
これ、まさか僕らが帰る所まで付いてくる気やろか。。。
先々の不安に思いやられ、隣で繰り広げられる終わりのないトークと相まってしょーちん。が混乱している所に、思いがけない事が起こりました。
おじさんがしょーちん。の友人が持っているガンプラに目をやり、
「あっ!君ガンダム好きなの!?言ってよ~。喋ろ喋ろ!!!」
なんと、おじさんのガンダムマニア発覚!
今度は友人の隣りに腰を下ろしてガンダムトークに花を咲かせ始めたのです。
しょーちん。は思いました。
今や!今しかない!!!
「あの~、ちょっとアイスクリーム買ってくるわ♪(=゚ω゚)ノ」
…はい、仕返し成功です(笑)
今度は完全に友人をターゲットにして離れなくなりました。ウシシ。
それからはずっとしょーちん。には訳の分からないガンダムトークを二人で繰り広げています。
友人も最初こそ好きなガンダムの話で楽しそうにしていましたが、案の定途中から疲弊してきている様子。。
そこにバスが到着したので、駅までおじさんと三人で帰る事に。
もちろんおじさんは友人と相席を組み、のべつ幕無し喋っています。
思い出したように話をやめたおじさんがしょーちん。の肩を叩いて言うのです。
「なんだ~、こんなに話が合う友達が居るならいうて~な~!
くっそ~!!俺のガンダム魂に火を点けやがって~!!このやろ~~!!!」
「………あ、そうなんですか。。あはははは。」(;'∀')←しょーちん。
おじさんの興奮は駅に着いても収まる事はなく、とうとうしょーちん。達二人に付いて歩き始めました。
「おいおい。どうすんねんこれ。。。どこまで付いてくるん??コワイ。」
しょーちん。も友人も同じことを考えていたでしょう。
仕方が無いのでそのまま駅近くの家電屋のプラモコーナーへ。
もちろんおじさんは付いてくる(笑)
プラモにそんなに興味のないしょーちん。は、プラモを肴に喋り続ける二人(もはや一人か)を差し置いて店内をうろうろしながらこんな事を考えていました。。
「ヤバいぞ。こんなに短時間で親密になったんやから、もう連絡先とか聞かれて、休みの日には毎日連絡があるんじゃないだろうか。。はぁ~。わかるでェ未来。(*_*)」
2人のところに戻ると相変わらず何やら喋っています。
さすがに友人も疲れてて可哀想に思ったので、しょーちん。も余り詳しく無いながらガンダム話に割って入りました。
「いやぁ、僕も初代のガンダムくらいしか分かんないんですよ~あはは。」
「わかるわかる!!わかるでぇ!!初代がなんといっても名作やから!わかるでぇ~!」
「僕が初代ガンダム好きになったのってしょーちん。の家でビデオ見たのも大きいからなぁ。」
「えっ!そうやっけかぁ~?あんまり覚えてないなぁ。プラモデルはその頃よく作ってたのは覚えてるけど。」
「その頃しょーちん。の家にあったプラモはね、ガンキャノンにザクに…」
なぜか今度はその友人としょーちん。とで、懐かしい話に花が咲いてしまいました。
おじさんも少し入っては来るものの、明らかに語気を弱めているのが分かりました。
すると何も言わずに笑顔をすこし見せながら、懐かしい話に花を咲かせるしょーちん。と友人から離れて行くではありませんか。
しょーちん。と友人は、トイレに行くんだなと思い、離れて行くおじさんの背中を見ていました。
するとなんと!!!
おじさんは何事もなかったように家電屋の自動ドアをするりと抜け、駅の雑踏へと姿を消しました。
2人とも唖然。。(笑)
かれこれ半日よ?
短時間で盛り上がって親密に話をし、最後こんなにあっけなく去って行く。。
…やっぱりおじさんは最後別れ方まで超個性的でした。
きっと僕たちには理解できない次元におられるのだろう。(笑)
しかし、なんやろ。。。
数年後の今になってフト思う時があります。
「おじさん、今日は誰に話しかけてるんやろ?」
そしてあろうことかこうも思うのです。
「もう一度会ってみたいな・・・。」
変でしょう?
分ってるよしょーちん。も。
あれだけ逃げるのに難儀して、あれだけマシンガントークに苦しめられたんです。
でも。。。
あぁ、これはおじさんに会った事のない人には分からない感情でしょう。
もう多くを語りません。
…きっとおじさんは今日も全身デニムコーデで、ブルースリーのTシャツを着てどこかの町を彷徨っているのでしょう。
話を聞いてくれる人を捜し求めて。。
そう、次はあなたが住んでいる街に現れるかもしれませんよ。
”わかるでぇ~”
次にこの声を聞くのはあなたかも。。。
また、おこしやす つらら庵 ♪
〇今日の水墨〇
「懸崖之花」