つらら庵日和

つらら庵日和。

つらら庵の職人 しょーちん。の日記。

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一番簡単な裏打ち方法!〜アイロン不要で作品をより美しく〜

水墨画裏打ち方法!(独学ですが参考までに…。)

(2019.8.20 追記)

良ければ裏打ちの動画もYouTubeにアップしておりますので、こちらもご参考になさってください!多分こっちの方がわかりやすいです(笑)

コチラ→https://youtu.be/fTUvmkuaiYI

 

 

 

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先に完成作品♪これで茄子の夢がみれますじゃろか?(笑)

 

おこしやす つらら庵 ♪

 

いや~とうとう今年も最後ですな〜。まぁ今年一年、そんなに楽しいことも無かったように思いますが、大病も得ず健康に暮らせてるだけでありがたいことです!感謝感謝。(^^)

 

 

さて、今回は裏打ちの方法を公開したいと思います。小さいサイズなので覚えればそんなに難しい事はありません!少しでも参考になればと思います。。

さて、その前に正月の輪飾りについて少し小話をと…。

 

年神様に福を呼び込んでもらうために目印として玄関などに飾る輪飾りですが、29日、31日は飾るのを避けなければなりません。29日は" 二重苦 "を暗示させ(はい、出ましたダジャレ。)大晦日の31日は" 一夜飾り "と言い、お葬式と同じなので忌み嫌うそう。

しょーちんの自宅つらら庵は、昨日の夜慌てて飾りましたがギリ0時は回っていなかったので、一夜飾りにはならず大丈夫なはず!ε-(´∀`*)ホッ

 

それがこちら!

 

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…。うん、何か寂しない?

まぁ、なんてったーて百均やからね。(笑)

そこで、近所の公園の近くにウラジロが生えてたのを思い出し、そいつでグレードアップ作戦決行!!

 

てくてく、徒歩1分の公園近くへ……。

 

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さっそく発見♪

 

しかし…。徒歩1分もしない内にこうした鬱蒼とした山に行けるのだからやっぱり田舎や…。(泣)

 

しかし、自宅に帰りよく見ると…??

 

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おい、われ、ほんまにウラジロけ??

  ウラ、全然白ないやんけ。(--〆)

 

庵主のつらら様もこのご様子…。

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…。まぁええか。(笑)なんかわかんないけど、要するに"シデ"と言って、垂れ下がってたらええねんから。(←ヤケクソ。)

 

で、ドレスアップ完了!!

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・・・。

さっきのほうがよかった…。(・・)

 

ま、まぁ少しでも豪華になったってことでご勘弁を…。(^_^;)

 

さてさて、前置きが長くなりましたがいよいよ裏打ちの方法公開です!

 

皆さんも"まくり"の状態の作品があれば、この記事を少しでも参考にチャレンジしてみて下されば幸甚です♪( ´∀`)b

 

裏打ち道具これだけ!

 

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 左上から、

■ ノリを入れるバット

■ ノリ(成分がデンプンのフエキのり、ヤマトのり等。)

■ 水の入った霧吹き(これはお醤油用ですがお気になさらず…。(笑))■ 水(水道水の場合はカルキを飛ばしておくと、なお良いです。黄ばむ可能性があるので…。)

■ 裏打紙と本紙(裏打ち紙は薄美濃紙など、薄くて繊維が長く丈夫な物。本紙より四辺を2~3㎝大きめに切っておいてくださいね。本紙とは作品のことです。)

■ 刷毛3種類(なで刷毛、のり刷毛、等。)

 

まず、最初に本紙を湿らす

 

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本紙を裏に返し、霧吹きを掛けます。本紙に近づけすぎず、30㎝くらい離して本紙全体をまんべんなく湿らせます。濡れ方にムラが無いようにしてください。

濡れすぎた箇所がある場合はテッシュなどで軽く叩き、周囲の濡れ具合となじませてください。

終わったら次の作業に移るので、ここまで来たら本紙は下の新聞紙ごとどこかに安置しておいて下さい。

 

ノリを用意する

 

 

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今回はフエキノリを使用します。本職の表具師さんは、原材料が小麦粉の生麩のりを使いますが、今回のような個人の小品の裏打ちはフエキノリで良いでしょう♪

因みに、フエキノリはトウモロコシ澱粉で出来た、皆さんが幼稚園や小学校で使っていた人畜無害ののりです。

天然材料で出来たのりですが、そのままでは使えませんので注意して下さい!そのままの濃度だと接着力が強すぎて本紙を傷めます。

思い出してみて下さい。米粒の付いたお茶碗をつけ置きせずに放置するとびっくりするくらいカチカチになりますよね?

天然の澱粉も固まると固着力が高いんです。

なので水で薄めてノリを弱くしましょう!

 

 (追記:今回初めて手軽なフエキノリを使ってみましたが、少々ノリが強く感じました。剥がす時も苦労したので、やはり面倒でも生麩のりを使った方が今後の保存の為にも無難みたいですね…。)

 

少しづつ水を足し、指で溶かします。濃度としては…

 

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ごめんなさい、輪っかがずれてますね(笑)

このようにのり刷毛を傾けて、しずくになって"やっと"落ちるくらいがベストです。

これが、待てど暮らせど落ちてこなかったり、ポトポトと次から次にしずくになるのは濃すぎ、薄すぎ、です。

 

ここ、結構大事なので注意して作ってみて下さい!濃さが決まれば茶こしのような細かい目のザルで何度か濾します。……

 

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出来たらノリの準備 OK!

 

裏打ち紙にノリを塗る

 

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のり刷毛に先程ののりをたっぷり付け、このように中心点から放射線状に塗って下さい。

これは、刷毛を使う裏打ち作業では共通のポイントです。

こうすることでシワを延ばしながらのりが均一に塗れます。埃やゴミはこの時点で取り除いてください!

 

この面は、本紙とくっつける面なので、封じ込めてしまうと表面からも透けて見え、かっこ悪くなるので…。   全体に塗ったら…

 

 

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このように、物差しを使って持ち上げます。

物差しが無ければ長手の角材でも良いです(^^)こうするとのりを塗った面同士がくっつかず、裏打ち紙を移動させることが出来ます。

 

持ち上げたら、のり面を必ず上にして新聞紙等を敷いた別の場所に移してください。

本紙と裏打ち紙の接着

 

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いよいよ後半戦ですね(^_^)難しいのはここからですが、一度コツを覚えると簡単ですので頑張ってみてくださいね☆

 

一番最初に湿らした本紙を裏のまま作業台に載せます。因みに、作業台は何でも良いのですが、綺麗な物を使ってください!(僕のきったねー(笑))

先程の刷毛の要領でシワを軽く延ばしておきます。そこに、のりを塗った裏打ち紙を…

 

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このように大体の見当をつけて本紙の上に徐々に"降ろして"行きます。

貼ろう貼ろうと意識すると上手くゆきません!本紙の上に、降ろす!

のです(笑)言葉では伝えにくいのですが、シワのいく一番の原因は本紙に"貼り付けよう"とするからなんです(^_^)

 

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この写真ではカメラを右手に持っているので刷毛は持てませんでしたが、通常は利き手ではない方の手で裏打ち紙をおろしながら、利き手に持った刷毛で空気を追い出すように、センターから両端に向かって撫で付けます。

この時使う刷毛は撫で刷毛という乾いた、水分を付けない刷毛をつかいます。僕は絵に使う刷毛を仕方なく使いましたが、本来は腰のある専用の撫で刷毛がこのましいです。。(高くて買えない…(汗))

 

写真では、細かいシワが有りますが、この時点では無視して結構です。

全面貼れたら、四隅の裏打ち紙だけを持ち上げ、空気やシワを外に追い出すように撫で付けます。

 

真上に裏打ち紙をもちあげてしまうと本紙までくっついてきます。イライラします(笑)

なので…

 

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このように、隅っこから対角に真横に引っ張ると本紙がくっつきにくいです♪大方シワを延ばしたら…

 

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細かいシワも外に向かって丁寧に撫で付けます。あまり本紙を擦るように刷毛を動かすと毛羽立ちますのでご注意を…。

綺麗な面ができましたか?

 

余白部のり付け

 

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では、そのままの状態で、裏打ち紙の余白部に濃い目ののりを塗ります!

こののりは先程裏打ち紙に塗った濃度の倍の濃さです。

 

この時、写真の赤い範囲には出来るだけのりがつかないようにしてください!本紙をのりで汚さない為です。

細い刷毛を使うとぬりやすいですよ♪(^^)周囲がしっかり塗れたら…

 

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今度は先程と違って、裏打ち紙と本紙を密着させたまま持ち上げます。

でも、裏打ち紙に付いてきて欲しい時にはついてこないんですよね^_^;

 

そんな時は、先程やった、本紙がくっついてこない方法と逆の方法を取ればいいのです。

覚えてますか?今度は、裏打ち紙を真上に引き上げてみましょう!どうですか?うまく引っ付いてきたでしょうか?それでもうまく行かない場合は、薄いヘラなどで軽く本紙の隅っこを裏打ち紙に引っ付けてやりながら持ち上げてみてください。

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持ち上げたら、そのまま作品を乾かす用のパネルに持って行き、今度は作品が表になるようにパネルに乗せます。

簡単に言えば、作品を飾った時と同じ状態とでもいいましょうか。

 

パネル貼付け

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表からテッシュか何かでポンポンと優しく押さえます。ついでに細かいシワもこの時点で押さえて潰しておきましょう。

 完成

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後は、のりの付いた余白部をパネルに強く貼付けます。指で圧着して下さい。余白部に何でもいいので紙片を潜らせて置くと、剥がすときそこから剥がしやすいです。(紙片は裏打ち紙の下になってるように!)そのまま半日乾かします。冬場は長めにね!そして冒頭の画像にあるように…

やっとこさ完成〜!!!\(^o^)/

お疲れ様でした!でも、僕もかなり疲れました…(笑)慣れないブログでここまで書くのは^_^;(笑)

 

わかりにくい説明だったかもしれませんが少しでも皆さんの作品作りのお役に立てれば幸いです。

 

 

今おもたけど、、、2日に分けりゃよかった(汗)この記事…(^_^;)

 

もう数時間で今年も終わり。大晦日になんの記事書いてるんだか(-_-;)

では皆さん、よいお年を!来年からもブログ頑張るゾイ!

 

それでは、来年もまたおこしやす つらら庵 ♪