墨花。
おこしやす つらら庵 ♪
昨年末からチマチマと描いてきた墨牡丹。
モデルは大阪の長居公園内にある長居植物園で見た牡丹のスケッチです。
牡丹といえば日本画や水墨画ではお馴染みのモチーフなのですが、しょーちん。は描いた事が有りませんでした。
巨匠と言われる画家が数々名作を残しているし、なんだか日本画と言えば富士、桜、牡丹みたいなイメージがあったのであまり関心が無かったのですが、長居公園でみた黒牡丹をみて、その光を吸収する様な深い黒に魅了されました。
これを墨絵で描きたいと思ったんです。
思ったのは良いけど‥
とても苦労しました。
背景に1番苦心して、何度も何度も薄く水干、アルミ泥、雲母、胡粉なんかを何十回と塗りました。
しょーちん。は厚塗りの絵はあまり好きではありません。
どちらかというと、いかに薄塗りで分厚な感じを出すかに興味があります。
なかなか水墨に手を入れる纏まった時間も無かったので、合間合間にちょくちょく描いていたのですが、やっとこの度完成いたしました。
【 墨花 F10 】
タイトルは凝ったの付けるの苦手なのでシンプルなもんです。なんならA-256とか記号でもええくらい。(笑)
少しはあのベルベットの様な花びらの感じが出たかなぁと思います。妖気を描きたかったがどうでしょう?
花鳥画全般に言えるのですが、意外にも描くのが難しいのが花ではなく葉です。
花はある意味誤魔化しが効くんですよ。
ただ、葉は同じ形が単調に、しかも等間隔に交生しているので、良い組み合わせを考えるのがめっちゃ難しい。
色も、花の様にグラデーションでもないし、質感表現が単調になる。
大抵花の絵で失敗してるのは茎や葉です。
後世に伝えられる様な花鳥画の名作はすべて葉の描き方、流し方が上手い。(速水御舟の墨牡丹なんか凄い)
しょーちん。も足掻きに足掻いて、結局納得いかないところが多々あれど、どこかで踏ん切りを付けて完了しないといけないので筆を置きました。
今回の制作で、他の描き方も試したくなった。
しょーちん。は絵は独学で、しかも、現代の日本画でなく明治、大正、昭和初期辺りの名作で学んでいる所があるので、作風がやや古典的に偏り、ともするとそういう画風なのかと思われてしまいがちなのですが、しょーちん。が現在の日本で最も素晴らしい芸術家だと思うのが横尾忠則さんです。
それを言えばわかってもらえるかなぁとおもうのですが、なかなかシュルレアリスムというか、ポップで弾けるような表現も好きです。
この墨牡丹を描いている時も、
「最後に蛍光色の黄緑で心電図の脈の様な線をツーっと横に走らせたら面白そうやな」
とか考えもって描いてました。
‥今回はしなかったけどね。
ということで、次はもう少し自分を掘り下げて(っていうのもしっくりこないけど)、素直な表現をしていこうと思ってます。
しょーちん。が理想とする画家は、回顧展を開いた時にグループ展かと勘違いされる様な、多様な絵を描く画家です。えっ!これもこの人の絵!?うっそーん!‥みたいな。
だってさぁ、昨日言ってた事の反対を今日言う様な人間ですよ?
どうして同じ絵ばかり描けようか。。(笑)
また、おこしやす つらら庵 ♪
■ひとことコラム■
絵描きのモチーフ選びって本当に面白いですね。あと、その絵を描く動機付け。
絵を一枚仕上げるのって本当に勇気とエネルギーが要るもんなんですよ。
自分はなんでこれを描いてるんやろ?とか思い出すと絵進まない。描きながら答えを見つけるみたいな荒っぽい行為も必要だと感じる今日この頃です。
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