日本画におけるスケッチの方法。 ~線描に色を付ける~
おこしやす つらら庵 ♪
とうとう彼岸花の花期が終わってしまいましたね(;^ω^)
折角やから開花中にこの記事をUPしたかったんやけど、間に合いませんでした。
まっ、それもしょーちん。らしいっちゅーことで。(笑)
今はコスモスが盛りですね♪
これはこの間撮った写真。
コスモスは中国原産の花やけど、可憐で華奢な感じが日本人好みなのか、とても愛されている花です。
スケッチに行きたいけどあいにく雨続きやからなぁ。。(*_*;
てか、ほんとやったら今頃つらら庵のプランターにコスモスが咲いてるはずやってんけど…。
種、どこいったんやろ??マジで謎。(笑)
さて、前置きが長くなりましたが、この間しょーちん。が筆を忘れたためにできなかった彼岸花スケッチの彩色をしていきたいと思います!
今回は室内スケッチで、現物が目の前に無いので写真を参考に彩色していきます。
本当は現物を目の前にして描くのが一番良いのですが、彩色くらいならこのようなやり方でもいいと思います。
ただし、絵そのものを写真から描き起こすのはあまりお勧めしません。
写真から得られる情報は少なく、質感やスケールがイメージしにくいからです。
では、絵の具、筆などを用意していざ実践!(^^)
①下色を付ける
まず、彼岸花って何色に見えますか??
当然赤ですよね。
でも、だからと言っていきなり赤色を筆に取って描いてしまうと深みの無い絵になってしまいます。
出典:http://blog-imgs-40.fc2.com/m/i/k/mikan101/IMG_4098.jpg
よ~く見ると、赤は赤でも、グラデーションの様にクリームっぽい色から徐々に赤が入っている事が分かりますね。
こう言う所も細かく観察して色付けして行くと存在感のある含蓄豊かなスケッチになります。
色付けでは、淡い色から徐々に上に来る濃い色を重ねていくのが鉄則。
これは日本画に限らず、絵全般に言える事です。
彼岸花の作例でも、いきなり強い赤を塗るのではなく、一番下の色であるクリーム色から塗っていきます。
この花弁のクリーム色は、花弁を支える茎にまでグラデーションとして広がっていますので、茎の部分も塗っておきます。
心持ち緑の少し強めの色で。
このように花弁にも全体にクリーム色を下色として塗っておきます。
これはこれで白彼岸花みたいで綺麗ですけどね(^^)
②上色の赤を入れる
まず、彼岸花の赤い色を作ります。
普通の赤に少し朱の混じったような、明るめの赤です。
この色は彼岸花の特徴を表す大事な色なので、丁寧に色作りして下さい。
試行錯誤して納得の行く色を作る技術を身に付けたい所です。
赤でも、いきなり濃い赤を入れてしまうと、固く飴細工のような質感になってしまいます。最初は淡い目の赤で。
花は繊細過ぎるほど柔らかい。彩色でその質感までをも表したいものですね。
赤をただペタペタと塗ってしまうと、折角先ほど下色として塗ったクリーム色が死んでしまいます。
色を塗る筆とは別にもう一本、水だけを含ませた水筆で赤をぼかします。
どうでしょうか?
びみょ~な事ですが、ぼかす事により下のクリーム色が透けて見えて、複雑で繊細なグラデーションが活きています。
こうした少しの工夫で、絵に軽やかさや質感が表現できます。
ここで、もう一度グラデーションの付け方を細かくご紹介したいと思います。
・グラデーションの付け方
まず、これは絵全般に共通する事ですが、筆に取る色はたっぷりと含ませること。
あまりボタボタに含ませるのも考え物ですが、適宜に含ませた筆で塗られた絵はとても柔らかな潤いのある絵になりますので、是非練習して体で覚えてみて下さい!(^^)
このように、たっぷり色を取り素早く塗ります。
次に、水だけを含ませた筆で、先ほど塗った線の際を素早く左右にぼかして馴染ませます。
ポイントは素早さと、含ませる水の量。
グラデーションを付ける前に絵の具が乾いてしまうと上手く行きません。
色面のキワッキワをぼかすのがコツ。
このようにグラデーションの付け方を覚えておくと、色々な絵に応用が利きますので絵が格段にグレードアップしますよ!( ˘ω˘)
上の作例なんて、意識したわけでは無いけど壮大な原っぱに見えませんか?(笑)
今度はより分かりやすく、葉っぱにグラデーションを付けてみます。
やり方は先程と一緒。素早く。
ただ、葉っぱなどの立体的な物にグラデーションを付ける場合は、その立体感を表すようなグラデーションの付け方をしなければなりません。
ハイライトや陰影を意識した塗り方をします。
こんな感じでね(^^)
…それでは、彼岸花に戻ります。
グラデーションを付けて、柔らかな感じが出るよう花弁の彩色を進めます。
一つの花が描けたら次へを繰り返す…。
一通り塗れました♪
これでも大分彼岸花らしさが出ていますが、もう少しところどころに強い色が入る事で更に彼岸花の燃えるような美しさが表せます。
ここまで来たら一旦乾かします。
③色をもう一段強める
先ほど塗った基本の彼岸花の色の、もう少し濃い物を作り塗ります。
今度はあまりグラデーションを大きく付けず、ポイントポイントの彩色に留めます。
この事により花に立体感が付き、花弁の翻りまで表現できます。
立体感が付いて来ましたね。(*^^*)
彩色はこのように、弱・中・強と、大体3~4段階の色の濃さを使い分けると立体感が付きます。
細い蕊の部分にも手を抜くことなくグラデーションを付けます。
根元に行くほど色が薄くなっています。こういう事もよく観察しないと見えてこない特徴ですので、色を塗る時も細部を観察する癖を付けておきましょう。
蕊にも立体感が付きました。
全体に手が入ったら、一旦手を止め、もう一度絵と実物を見比べます。
④細部の描き込み~完成。
雄蕊の色を作ります。
彼岸花の雄蕊は熟して花粉が露出すると黄色になりますが、若い雄蕊は黒紫色をしています。
良く実物を見て色を作る。
こんな小さな面積でも丁寧に塗る事で最終的にその物の特徴が良く表れた良い絵になるので、細かい所も手を抜かず頑張って描いてください。
今度は茎の色を作ります。
彼岸花の緑はとても明るい緑です。混色の割合は黄色を多く。
(てか、絵皿のボロさがスゲ~な。(笑)この後パックリ割れちゃいましたよ(;´・ω・))
茎を塗る時もグラデーションを上手く活かして…。
地に続く茎にも軽やかに彩色します。
全体を見回して納得がいったら…
完成~!!
どやさっ♪ヾ(≧▽≦)ノ
花の立体感、質感、更には匂いまで表せていればバッチリ!!
彼岸花には匂いは有りませんが、要するに五感を刺激する絵になっているかと言う事。
スケッチが奥深く難しいのはそこです。
しょーちん。もまだまだ修行だわい。。(*^^*)
因みに、しょーちん。は全てのスケッチに色を塗る事はあまりしません。
何故なら、線描のみのスケッチの方が形をシンプルに捉えやすく、本画の参考にする時に色の先入観に惑わされること無く形を見れるからです。
それに、線描のみの絵も美しいのだ♪
好きなだけってのもある。(笑)
いかがでしたか??
スケッチの醍醐味というか、やっぱり心がウキウキするのは彩色だと思います♪
線描で形を取る時は真剣になり、肩もガチガチになっていたでしょう。
せめて彩色は子供に返って楽しくして頂ければと思います。(^^)
そういった楽しい雰囲気がきっと絵にも表れますよ♪
この記事が絵を学ぶ方々のほんの少しの助力になれば幸甚に思います。
最後まで丁寧に読んで下さりありがとうございました~☆( ˘ω˘)
・まとめ
・ベタベタと塗ることなく、グラデーションを活かして軽やかに塗る。
・そのものの特徴を良く表す色を丁寧に作る。
・淡い色から徐々に様子を見て濃くしていく。
また、おこしやす つらら庵 ♪
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