日本画家・加山又造の魅力。
おこしやす つらら庵 ♪
今日はしょーちん。の大好きな、というより憧れ、、、、いやいや、人生の師匠とも言うべき芸術家を紹介しようと思います。
ほんとに大好きなんです。個人的に、この人ほど日本画というジャンルを深く深く掘り下げ、その可能性を探求した画家はいないと思います。
是非知って欲しい画家の一人です。
出典:http://stat001.ameba.jp/user_images/5c/7b/10134466800_s.jpg
どうですかこの容貌!!(笑)
なんか、古武術の師範にも見えるし、偉大な宗教家にも見えるし…。
芸術家には努力型と天才型がいるとよく言われますが、加山先生は天才型です。
若い内から類まれな才能を発揮しました。
しっかりと時系列を整理して作った公的な分類とは違いますが、今日はしょーちん。なりにこの画家の足跡と、その仕事ぶりをご紹介できればと思います。
加山又造は昭和2年に京都で生まれました。
父は西陣織の高名な図案化なので、生家には仕事の参考にするための日本の古美術や、琳派の画集、西洋美術の画集までが幅広く揃えられていました。
加山又造は生まれつき体が弱かったので、外で遊ぶでもなく、いつも父の仕事場でお弟子さんたちと絵を描いて遊んで幼少期を過ごします。
当然絵の道を志し、京都市立美術工芸学校で4年間学び伝統技法を身に付けます。
当時は、京都市立美術工芸学校で学んだらエスカレーター式に、絵画専門学校と言う所に入学するのが普通なのですが、17歳の気鋭の芸術家である加山又造は、因習となれ合いで学ぶ絵画専門学校の教えに共鳴する事ができません。
単身京都を離れ、東京美術学校に入学します。
後に加山又造は言います。
「当時、新しい風はいつも東から吹いていた。」
・・・・・
加山又造17歳。
昭和19年。日本は激動の時代でした。
絵なんて何の役にも立たないと言われた時代。飢えと不安の中でも加山又造は自分の絵について真剣に向き合っていました。
これはちょっとした小話なのですが、加山又造は戦時中どうしても食べる物が無く、餓えて死にそうになった時、日本画で使う膠に岩塩を入れてスープにして飲んでいたそうです。いやぁ、恐ろしい(笑)
皮を煮たものですから確かに栄養価は有るけど…おえっ!!!(*_*;
↓ 膠についてはコチラをどうぞ ↓
出典:http://izucul.cocolog-nifty.com/balance/images/2016/02/06/img_2.jpg
「月と縞馬」
出典:http://blog-imgs-80.fc2.com/k/o/u/kousatsublog7/20150731223123baf.jpg
「悲しき鹿」
出典:http://www.haizara.net/~shimirin/blog/akiko/entries/nikki/20090129163343.files/kayama-1.JPG
「月と駱駝」
出典:http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/28/0000527528/97/imgec864c99zik5zj.jpeg
「冬」
日本画らしからぬ表現に反骨精神が見て取れますね。(笑)
この頃は主に動物を主題にして、時代閉塞感や悲しさをシュールレアリスム、キュビスムに学びながら表現すると言う独自の画風を築いています。
タマムシが角度によって色を変えるように、次々と画風を変えていく加山又造。
その中でもしょーちん。は初期の動物の作品は大好きです。
24歳、華々しく世に迎えられてからも歩みを止めません。
今度は西洋的表現を捨て、日本の琳派を深く研究する時期に入ります。
ところで琳派ってご存知ですか??
出典:http://catalog.crossover-designs.com/illust/kabe.mati/fujin.raijin.jpg
この絵で有名な俵屋宗達が始めたと言われる日本独自の表現技法です。
創始者としては俵屋宗達が挙げられますが、その技法を纏め、大成したのが…
出典:http://img-cdn.jg.jugem.jp/599/2963631/20150513_1073805.jpg
燕子花図屏風で有名な、尾形光琳です。
琳派の特徴は、物を単純化して捉える事です。これは現代のデザインに通じます。
例えば…
出典:http://www.delitosinformaticos.com/wp-content/uploads/2014/11/apple.png
これを見てすぐにあの会社が頭に浮かぶように…。
話の本題とちょっと違うか??(笑)
閑話休題。
加山又造はこの琳派にこそ日本独自の美が有ると捉え、琳派を題材とした華麗な
画風を模索し始める。
出典: http://blog-imgs-42.fc2.com/n/e/k/nekoarena/20130220071323034.jpg
「千羽鶴」
出典:http://kanshokyoiku.jp/keymap/images/momat15.jpg
「春秋波濤」
出典:http://blog-imgs-79.fc2.com/n/e/k/nekoarena/20150125211044885.jpg
「初月屏風」
どうですか?このピカソもビックリの変貌ぶり。(笑)
加山先生の凄い所は、築き上げた画風を何のためらいも無く捨てられる事。
いやぁ、慎重派なしょーちん。は頭の下がるばかりです。(^▽^;)
日本美術の原点を求めて琳派まで遡った画家の歩みは留まる事を知りません。
今度は東洋美術の原点、水墨画に挑みます。
出典:
「倣北宋山水雪景」
出典:http://www.pref.toyama.jp/branches/3044/d602_8.jpg
「月光波濤」
出典:http://totemokimagure.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/2009/02/11/tei0001blog.jpg
「啼」
出典:http://www.pref.toyama.jp/branches/3044/d602_7.jpg
「凍れる月光」
出典:http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/3a/67d6874b1203983f300f44353a157e82.jpg
「牡丹図屏風」
ここへ来て加山又造の描写力が発揮されます。
中国の宋の時代の水墨に学び、日本の水墨を探求します。
加山又造の特徴として、何かに ”倣う(ならう)” というのが有ります。
それは時代時代によって変わります。
変遷の画家、加山又造。
う~ん、いいねぇ!!( ˘ω˘)
まだまだ加山先生の猛進は止まらないぜぇ~!今度は裸婦に挑戦!!
出典:http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/5a/3a21b7ffb844225baf5816eff553093a.jpg
「黒い薔薇の裸婦(部分)」
出典:
「はなびら」
「裸婦(題名不詳)」
出典:http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/g-modern/cabinet/img56175076.jpg
「裸婦(習作)」
凄いですね。
日本画で当時裸婦が発表される事はなかなか有りませんでした。
あったとしても、歌麿などから続く伝統的な湯浴みの図。
翻って加山又造の主題は裸婦の美しさそのものです。
発表当時は驚きを持って迎えられたそうですよ~。
そりゃそやろな(^▽^;)
加山先生は紛れもない芸術家。しかも天才だと思います。
ピカソを始め、天才は一つ所に留まりはしません。加山先生の魅力はそこなのです。
出典:http://d2i6c6y1xqgf7t.cloudfront.net/media/news/artcars_4.jpg
なんと、車好きなら誰もが憧れるBMWにも絵付けを施します。(笑)
加山さんの好奇心どやさ!?(^_^)
出典:https://i2.wp.com/japantemple.com/wp-content/uploads/2016/05/ryu-un-zu.jpg
京都にある名刹、天龍寺の天井画も描いちゃいます。
なんとこの絵は、エアーブラシを用いて、日本画の技法である垂らし込み(水で濡れている所に墨を差し、あえて滲ませる技法)を試みた意欲作。
伝統的な保守派の日本画家からは、
「それでも日本画か!」
と批判されましたが本人は気にも留めず、息子の加山哲也氏(陶芸家)に、
「だって、こんな便利な物があるんだもの。こんな便利な物が宗達・光琳の時代にあったなら、彼らが使わないわけがないじゃない?」
と、飄々と言ってのけたそう。
かっこ良すぎるぜ加山せんせ~~!!(≧◇≦)(笑)
そんなしょーちん。も大好きな加山又造の展覧会が、今月25日まで大阪高島屋、10月からは京都高島屋で開催されます。
出典:http://kinbi.pref.niigata.lg.jp/wp-content/uploads/2017/04/kayamamatazouten.jpg
残念ながら関東での会期は終了しているので、関西圏の人じゃないと見る事は難しいですが、お近くの方は是非!!(^_-)-☆
しょーちん。も京都に見に行く予定です。
加山又造の画集は穴のあくほど見ていますが、実物は初めて!!
今の内からワクワクが止まりません!!
皆さんも興味があれば加山又造について調べて見て下さい(^_^)
某有名動画サイトでも、加山又造出演回の「あの人に会いたい」がUPされています。
良ければ見て下さい♪
お声がスネ夫に似ててびっくりしますよ!!(*‘∀‘)(笑)
それでは、今日は熱く語ってしまいましたが、最後まで読んで頂いてありがとうございます。
今日も皆さんにとって良い週末で有りますように…
また、おこしやす つらら庵 ♪