つらら庵日和

つらら庵日和。

つらら庵の職人 しょーちん。の日記。

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鳥獣戯画の描き方 兎さん編。

 

 

 

おこしやす つらら庵 ♪

 

こんばんは!昨日しょーちん。は布団に入ってから中々寝付けず、やっと寝入ったのは明け方で、今めちゃくちゃ眠いです…。(泣)

元々不眠症気味で、最近はよくなって来てたのに時にこうなってしまいます。(^_^;)

タイミングなんですよね〜、寝付けるか寝付けないかって。

 

今日は早めに寝るぞ〜!!

 

 

 

(。-ω-)zzz. . .

 

 

 

 

!!!

いやいや、今寝たらあかんで!(笑)

 

さてさて、昨日お伝えしていたように、今日は鳥獣戯画の一番有名な兎の描き方をご紹介します!!

 

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この、相撲のシーンから、蛙に見事に投げ飛ばされている兎さんです。(^^)

 

鳥獣戯画と言えばコレですよね。

絵巻物全体、どの動物も巧みに描かれていますが、特にこの兎は、日本画で重要な筆法(筆使い)がたくさん使われています。

筆使いを学ぶにはもってこいっチュー訳ですな。(^^)

 

絵を描き始める前に、以前にも言いましたが、僕たちは筆の達人弘法大師ではないので筆は出来るだけ良い物を使って下さい!

使う筆の良し悪しで、この先の絵の上達具合が変わって来ますので、初めから良い物を使った方が得です。

良い筆の条件は…

  1. 含みが良い。(水分を程よく蓄える)
  2. 腰がある。
  3. 毛先が揃っている。
  4. 軸が曲がっていない。

くらいでしょうか。あと一つ付け加えると、筆は流通の限られているものなので、有名どころのメーカーを買えば間違いはない。ということでしょうか。

不朽堂、清晨堂辺りを選べばグッドです。

そりゃ、多少値は張りますが大事に使えば何十年と使えます。日本画の絵具で描画する場合は擦り切れてすぐにダメになりますが。^^;

墨で半紙に描くくらいなら長持ちします。

中でも一番大事なのが毛先が揃っていること!筆の先端部は命毛と言い、その名の通り筆の命とも言える部分です。

 

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ここがバサバサになる筆はダメな筆なので、線描には向きません。命毛が良い筆を使うと髪の毛よりも細い線を描くことができます。

筆の使い方次第で、いろいろな線が描けます。見ていくと……

 

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写真を撮りながらだったので少しだらけた線になりましたがこのように細くも描けます。もちろん…

 

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筆を寝かせて描けば太い線も描けます。素早く筆を動かせばかすれた線に、ゆっくり動かせば滲んだ線になります。

このかすれの技法は、この後お見せする兎の描き方でもミソになる点なので覚えていて下さい!(・ω<)

筆を持つ手を上下させれば抑揚のある変化のついた線が描けます。

 

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面白いでしょ??

日本画ではこの抑揚で物の前後や奥行きも表せるんです。鳥獣戯画では本当に今まで挙げた技法が申し分なく使われています。

 

それでは、描いてみますね☆

 

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描き順についてなのですが、絵では特にありません。好きな所、描きやすい所から描けば良いのですが、腕を描いて、足を描いて、また戻り顔を…。みたいにあちこち散らばるような描き方はしないほうが無難です。利き手に対して奥の方から描いてゆくと、流れに乗って筆を動かせるので描きやすいです。僕は右利きなので、左奥から描いてゆきます。まずは腕の部分から……

 

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このように、僅かながら抑揚を付けた線で描くことで、内肘の前後が分かるような描き方になっています。

模写をするときは、お手本の絵がどういった順で描かれているかも考えながら描くことが、絵全体を纏まりよく見せる秘訣です。

因みに、筆を紙に下ろし、一筆描いたその線の太さ、長さで絵全体の大きさやバランスが決まってしまいます。ここからは描かれた腕を基準に各部を描いていく事になります。

 

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耳まで一気に来ましたよー。

腕の大きさを意識しながら額の線、目鼻口、耳の順です。にじむ紙の場合は基本的に描き直しが出来ませんので、思い切ってガシガシ描いてゆくのが良いですよ。

おびえて描けばおびえたような線になります。東洋画が精神と深く結びついているのはこういった筆と心の連携にもよるのです。この兎で言えば耳は一番薄くて張りが有りそうですよね?

なので、キリッとした線で描きます。描こうとする物が柔らかいのか、硬いのか、毛羽立っているのか、ツルリとしているのか、という事も考えることで線が変わってきます。

 

顔ができたど〜!(^^)

 

ヒゲと、顔と首のつなぎ目を暗示する数本の線はここでは描きません。最終的にバランスを見ながら描きます。

 

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もう一方の腕を描きます。

腕と腕とが互い違いにS字状に描かれていることで、バランスを取ってあります。鳥獣戯画の作者はこういうところが絶妙なんですよねー。

 

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この脚の線も心憎いです!

今までは、海で例えればさざなみのように、割りと落ち着いた線で描かれてましたが、この脚の線ではぐぐっと力を込めた大波のような線で描かれています。これにより、蛙に豪快に投げ飛ばされているスピード感が出ています。さらに足裏からかかとまでの線で一旦線を区切る事で、関節をも表現する巧みさ!素晴らしいぜ鳥獣戯画!!(*´∀`)

 

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ここがさっき言ったこの絵のミソ!!!(^○^)

 

お尻から背中まで、一気に、そして素早く筆を動かし、かすれを意図的に生み出し絵に表情を加えます。

この線があるのとないのとでは絵の出来具合が全然違います。

絵に力強さが出ました!

ここまでを上手く描ければ後はヨイヨイ♪

しかし、最後まで気を抜くことのないように!(^.^)(笑)

 

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もう片方の脚も描きます。

ここでも、さっき描いた腕と同様、バランスの取れた位置に脚が来ています。ヒゲと、首の付け根、胸の毛を命毛を使いフワリと描いたら…。

 

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完成〜!(*^_^*)

 

いかがでしたか?

動画ではないので、わかりづらいところもあったかと思いますが最後までご覧下さり有難うございます!このように、鳥獣戯画の兎一つ取っても、筆の使い方が学べるので是非興味のある方はチャレンジしてみて下さい!

 

そして、このウサギさん、相撲に負けたのに笑っているみたいじゃ無いですか?

 

「負けた時、辛い時も笑っていよう。」

 

そんなメッセージをしょーちん。はこの絵から受け取ります。

どこまで学ぶところがあるねん鳥獣戯画!素晴しいぞ!素晴らしすぎる!\(^o^)/(笑)

 

今日は絵の技法もさることながら、しょーちん。の鳥獣戯画愛も分かっていただけたと思います。(^^)

まだまだ鳥獣戯画には学べるところが多いので、今後もこのように色々な動物の描き方をご紹介しようと思っておりますのでまたつらら庵に遊びに来て下さいネ☆

 

それでは、

 

 

また、おこしやす つらら庵 ♪

 

 

 

 

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