つらら庵日和

つらら庵日和。

つらら庵の職人 しょーちん。の日記。

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夢十夜。

アオスジアゲハ

おこしやす つらら庵 ♪ 「アオスジアゲハ」 自宅から車で数十分。 少し町外れの山の麓に寂れた昆虫博物館がある。 …俊と親子二人で行くのは初めてだ。 俊は今年の4月の半ばに8つになったばかりである。 首から下げた少し紐の長めの新幹線の形をしたポーチ…

夢十夜。 「真夜中の目」

おこしやす つらら庵 ♪ 第二幕が終わる。 今日の興行ははねた。 時計の針は午前2時を指している。 休憩所に戻り、すっかり臙脂の褪せたスエードの椅子に腰を下ろし、恭子は繁多な長い髪を右肩に流して、一幕目の休憩時に吸いきれず残しておいたマルボロに再…

夢十夜。~銀杏~

おこしやす つらら庵 ♪ 「銀杏」 春のありがたい温もりの中、卓也は坂道を急ぎ足で下る。 今年やっと7つになったばかりだが、まだまだまわりの子よりか幼く見える。 母に作って貰ったナップサックを嬉しそうに身に付け、同い年の菜穂子の家に急いでいるのだ…

堕落列車。

おこしやす つらら庵 ♪ 今日初めて弓子と抱き合った。 終電までもう時間が無い。 私は後ろ髪をひかれる思いで帰りの列車のホームへと掛けた。まだ腕や胸のあたりにぬくもりが残っている。 こちらへ来るときは弓子と久しぶりに会えると言うので気もそぞろだっ…